朝顔の夜

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秋人くんは進学を機に地元を離れて、大学の近くで一人暮らしをしていた。 私は初対面で秋人くんにすっかり恋をして、家で飲もうと称し、秋人くんの家に遊びに行くようになっていた。 秋人くんは私のことを拒まなかった。 たぶん、自分の許容量の範疇で、私のことをかまってくれていただけなのだろうと、今更ながら思う。 秋人くんは、言いたいことははっきりという男。 そんな彼の、クールで、ぶっきらぼうで、飾らないところが、私は好きだった。 秋人くんは週のほとんどをバイトに費やしていた。朝十時からシフトが入っているから、私が遊びにきていたって、たいてい三時には寝る。 いくら私が朝まで起きていようとねだっても、関係なかった。 「明日に響くから」 薄い毛布をばさりと肩に掛け直し、秋人くんは寝息をたてる。 暗い部屋で、ひとり口を付けた、秋人くんの飲みかけのスミノフは、甘いジュースみたいな味がした。
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