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その後、私は秋人くんに何度も告白をした。最初のうち、秋人くんは丁重におことわりをしてきたけれど、私はぜんぜんめげなかった。
しだいに、バイト先でも「あの二人はどんな関係なんだ」と噂され、秋人くんは面倒くさそうに、私を彼女にしてくれた。
私と付き合うことになっても、秋人くんは午前三時に眠った。
私がさびしくなって会いたいときも、声がききたいときも、悩みがあって相談したいときも、「明日に響くから」と言って、秋人くんは私を無いモノ扱いした。
そのたびに私は、心がふかい迷路におぼれていく苦しみを覚えた。
秋人くん。
明日がなんだっていうの?
私はいま、秋人くんに会いたいよ。
ラインをしても電話をしても、リアクションはない。
眠ると宣言したのちの秋人くんは、私に興味を示さない。
午前三時に魔法が解けるような気がした。
その感覚を、当時の私は忌み嫌っていた。
四六時中、秋人くんに私を好きでいてほしかった。そうじゃないと、私は満足をしなかったのだ。
私は日中学校に行く。秋人くんは夜に学校に行く。どう頑張ったって、深夜の数時間しか、私たちの時間は合わない。
逆転した生活が、不満を加速させた。
からっぽの身体が、さみしくて仕方がなかった。
秋人くんに愛されたかった。
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