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やがて、求めてばかりの私は愛想を尽かされ、秋人くんと別れた。
その後も、私は変わらず彼氏を作り続けた。
身体が目的、寂しいだけ、重い男、シャイすぎてつまんない人間、共依存を求めてくるやつ。
秋人くんのあとに五人付き合って、こないだ上司との不倫が終わって、ため息が出た。
せっかくの休日だというのに、暗い気持ちが胸のあたりでべたべた貼り付いてくる。
人生が、思うようにいかない。
私は大学卒業後、自分はバリバリのキャリアウーマンになるのだと信じて疑わなかった。
得意げにエントリーシートを提出し、リクルートスーツを着て、かかとを鳴らして面接に向かった。
しかし、面接官はひとを見る目に長けている。
私が仕事に求めていたのは、ただの依存相手だ。
私は人並みの就活をしたはずだったが、働く意識がまったく足らないと見抜かれてばかりだった。
何社も落ちて、心がこわれかけていたとき、唯一、ぜんぜんぱっとしない通信業界に内定をもらった。
しかも、数年間は契約社員。のちに試験を受けて、正社員になれるのだという。
もともと志願していた会社とは、あまりにかけ離れていた。
配属されたのは、クレームばかりのお客様サポートセンターの受電業務。
電話越しに怒鳴られて、誰とも知らぬ相手に毎日謝ってばかりだ。
大学も出たのに。こんなはずじゃなかったのに。
いままでそれなりに、人並みにがんばってきたはずなのに。
がまんをすれば、報われるの?
だれか、ほめてくれるの?
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