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マコちゃんとチィとボク
今日もまた、目が覚めると知らない女の人が隣に寝ていた。当然の如く知らない部屋で、当然の如くお互いに裸で。
柔らかくて暖かいふかふかのベッド。淡いピンクのシーツ。ぼんやりと光の差し込む花柄のカーテン。どれも趣味じゃない。
起き上がると寒気がして、急いで自分の服を探す。
床に脱ぎ散らかしたままのジーンズと、その上にボクサーパンツがひしゃげていた。Tシャツは、脇に置かれたブラウスとブラジャーの下敷きになっている。
「ん…」
ベッドから降りないまま、横着に腕だけを伸ばして皺だらけのTシャツを取る。軽くはたいても綺麗にはならないが、仕方なく袖を通す。一瞬、女性モノの香水の匂いがした。
猛烈に煙草が吸いたくなる。
ベッドの横に置かれた鏡台を見ると、ピンクのパッケージが置かれていた。名前だけは知っている銘柄だが、自分では絶対に買わない。特にこだわりがあるわけでもなく、迷いもなく手に取って、脇に置いてあったライターで火を点けた。
メンソールの刺激と一緒に、ピーチの香りが流れ込んでくる。昨日の夜と思しき記憶も断片的に蘇ってくる。爆音で流れる音楽と、薄暗くて煙たい空間を横切るレーザービームと、煙草を吸う綺麗な女の人。
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