マコちゃんとチィとボク

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思わずマコちゃんを見上げた。こんな事まで面倒を見てもらわなくちゃいけないなんて情けなくて、恥ずかしくて、やめてって言おうとした。 「イヤならイヤって言ってちょうだい。」 それなのに先手を打たれて、つい首を左右に振ってしまった。 マコちゃんと一緒に居たらこんな事になるなんて思ってもみなかったから、何もかも信じられなくて、何が起こっているのか分からなくて、頭がパンクしそうだった。ただ、イヤじゃないって事だけは伝えておきたかった。やめて欲しいのに、イヤじゃないなんておかしいけど。 するとマコちゃんが、ふふっと笑ってから、良かった、と小さく呟いたのが聞こえた。情けないとか、やめてって言おうと思っていた気持ちなんて消えてしまった。 それからしばらく、マコちゃんに扱いてもらっていた。壁に凭れて、片手はマコちゃんと繋いだまま、腰を少し突き出して。文字通り手持ち無沙汰になってしまったもう片方の手で、目の前にある綺麗な鎖骨や腕を撫でたり、胸筋をちょっと揉んでみたり、腹筋の割れ目を指でなぞったりしてみても、今度は何も言われなかった。 ただ傍に居たくて一緒に入ろうと言っただけなのに、そんな事をしているのは、変な感じだった。 次第に息が上がってきて、ぴちゃぴちゃと音がするようになった。透明な液体が溢れてくると、マコちゃんはそれを塗り広げるようにして、少しずつ動きを早めてきた。マコちゃんの手は大きくて、温かくて、人と触れ合うってこんな感じだったかな、なんて思いながら、久しぶりの刺激をなるべく長く味わおうと、腹筋に力を込めていた。 「ガマンしなくていいのよ?」 姿勢を少し下げて耳元でそう言われた途端、ドキッと心臓が跳ねた。全部お見通しなんだ。耳が熱くなって、全身にも熱が駆け上がってくる。 「う…」 小さく声が漏れて、汗が吹き出してきた。
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