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「んっ…んっ…」
マコちゃんはなるべく声を出さないようにしているみたいだった。懸命に体を揺すって、こっちを気持ちよくさせる為だけに、しているように見えた。ハッ、ハッ、と少し掠れた息遣いが、にちゃにちゃという粘っこい水音と肌のぶつかる音の合間に聞こえていた。腰に押し付けられる度に少しだけ形の変わるお尻を見ていたら、自分からももっと激しく動きたくなって、マコちゃんに伝えた。
「自分で、自分で動きたい…いい?」
するとマコちゃんは少し動きを緩めて、振り向いた。いつもは涼しい目元がとろんとしていて、落ちかけた瞼の間から流し見てくるその視線に目を奪われる。
「…できる?」
確認されると少し焦ってしまう。動きたいと感じたから口に出したものの、それがきちんと出来るのかは自信が無い。
「分かんない…」
返事に困ってそう言うと、マコちゃんは手を引き寄せて腰を掴ませてきた。それから更に脚を開いて、押し込みやすいように高さを合わせてくれる。
慣れているのかと訊ねそうになったけど、マコちゃんの抱える知らない部分に踏み込んではいけないと思ったし、何より今起こっている現実について行くのがやっとで、そっちに集中したかった。何せ人生で初めて男の人と、しかもマコちゃんと、こんな事になっているのだから。
「いいのよ、動いて。」
一度、前髪を整えるように頭を振り、また向こうを向いてしまうマコちゃん。様子を見ながら、ゆるゆると動き始めた。全部委ねてもらった気分になる。入れたいって言い出したのは自分なんだから、好きにさせてもらえるなら気持ちよくなれるに決まってる。
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