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何にも知らないけど、あんな見た目なのにエッチの時は受け身で、耳を舐められるのが弱くて、今は恋人が居ない事を知っている。
それを、おかしいとは思わなくなっていた。今じゃ、毎日のように名前も知らない女の人と寝ているんだ。いちいち疑問に思っていたらキリがない。
マコちゃんもマコちゃんで、他人にあまり干渉しない主義らしく、明日の朝食とか、"何か"したかったのかとか、本当に必要なこと以外は質問して来ない。
どこに行くの?とか、誰と遊ぶの?とか、どんな事をしているの?とか、いつ帰ってくるの?とか、さっきのはキモチよかった?とか、私って可愛い?とか、私の何がいけなかったの?とか、どうしてそんな風に生きているの?とか、そんなことは一度も聞かれた事がない。
何の強要も、責任も、干渉も無い生活。それが、今は心地良かった。
明日がどうなっているのかなんて、そんなの誰にも分からないのだから、答えようがないし。明後日、来月、半年、一年後なんて、もっともっと分からない。
ただ、ここに戻ってくれば、優しくてカッコいいマコちゃんという男の人と、ふわふわなチィというアメリカンショートヘアの猫が居る。
それだけが分かっていれば、充分なんだ。
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