マコちゃんとチィとボク

35/35
前へ
/35ページ
次へ
何にも知らないけど、あんな見た目なのにエッチの時は受け身で、耳を舐められるのが弱くて、今は恋人が居ない事を知っている。 それを、おかしいとは思わなくなっていた。今じゃ、毎日のように名前も知らない女の人と寝ているんだ。いちいち疑問に思っていたらキリがない。 マコちゃんもマコちゃんで、他人にあまり干渉しない主義らしく、明日の朝食とか、"何か"したかったのかとか、本当に必要なこと以外は質問して来ない。 どこに行くの?とか、誰と遊ぶの?とか、どんな事をしているの?とか、いつ帰ってくるの?とか、さっきのはキモチよかった?とか、私って可愛い?とか、私の何がいけなかったの?とか、どうしてそんな風に生きているの?とか、そんなことは一度も聞かれた事がない。 何の強要も、責任も、干渉も無い生活。それが、今は心地良かった。 明日がどうなっているのかなんて、そんなの誰にも分からないのだから、答えようがないし。明後日、来月、半年、一年後なんて、もっともっと分からない。 ただ、ここに戻ってくれば、優しくてカッコいいマコちゃんという男の人と、ふわふわなチィというアメリカンショートヘアの猫が居る。 それだけが分かっていれば、充分なんだ。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

47人が本棚に入れています
本棚に追加