マコちゃんとチィとボク

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駅に向かいながら、電車の乗り換えを調べる。自分のいつも使っている最寄り駅まで約20分。少し遠回りになる駅を使えば15分だった。徒歩の時間が数分増えるだけで、料金は変わってくる。微々たる額でも、気にする人は気にするのだろう。 ほとんどシャッターの降りた商店街を抜けて、着いた駅にはほとんど人は居なかった。 そこで、今日が日曜日で、時間が午前7時過ぎなのだと実感が湧いた。街が想像よりも閑散としていたのは、その所為もあったのかも知れない。何にせよ、あんまり頭が働かない。 とりあえず来た電車に乗って、ガラガラに空いたシートに座って、目を閉じた。 使い慣れた駅で降りて、改札を抜け、しばらく歩けば公園がある。 その道中に自動販売機で安いメーカーの炭酸ジュースを買ってから、ふらりと公園に入った。犬の散歩をしている人を見ながら、ベンチに座り、ジュースを飲む。着色料で真っ黄色になった液体は、人工甘味料と香料がバリバリに利いたチープな味。犬も可愛いけど、飼うなら猫だ。 ジュースの缶を足元に置き、ベンチに足を上げて仰向けになる。全身がだるい。お風呂に入りたい。昨日の夜に聴いた爆音が、まだ耳の中に残っているみたい。ぴったりと耳栓をされたみたいに、頭の中に籠って反響し続けている。 まだ気温はそれほど高くない。木陰から陽射しがチラチラと覗く。 爽やかな空気を感じているのに、頭の中にはモヤがかかってるみたいで、スッキリしない。起きてからずっと、いや、それ以前から。いつからだったか思い出せないほど。 目を閉じると寝てしまいたくなって、でもこんな場所で寝れられる筈もないから、力を振り絞るように仕方なく起き上がって公園を出た。
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