マコちゃんとチィとボク

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しばらくそうしていると、マコちゃんが来た。 「服置いといたわ…って、あらら。」 ドアの向こうでそう言ったのが聞こえてから、すぐにドアが開いて、廊下に膝立ちになったマコちゃんが身を乗り出してくる。 「ほら、おいで。」 そう言って、シャワーでずぶ濡れになるのも気にせず、抱き締めてくれた。 さっき女の人にしたのよりもずっとずっと強い力。硬くて分厚い胸筋と、引き締まった腹筋が当たる。しっかりした腕にギューッて抱き締められて、裸でずぶ濡れのまま抱き付き返して、顔を擦り付けて、広い肩に顎を乗せて泣く。 安心してしまう。マコちゃんが来てくれたから。マコちゃんが優しくしてくれるから。 それから、上の服を脱いだマコちゃんに頭と体を洗ってバスタオルで拭いてもらい、髪をドライヤーで乾かしてもらった。マコちゃんの使っているのとは違う敏感肌用のボディーソープの匂いと、マコちゃんと同じシャンプーの匂いが混ざる。 小さい子みたいに服を着せてもらって、マコちゃんも新しい服に着替えた頃、ようやく落ち着いて席に着くことができた。 「エッチしたい。マコちゃん。」 そう言うと、珍しくマコちゃんが吹き出した。咳き込み、胸を叩きながら、コップに手を伸ばす。 「さっきして来たんじゃないの?」 水を飲んでから、少しずれた眼鏡越しに上目遣いになって聞いてくる。涼しいその目線だけでゾクゾクする。じわっと血が通うのを感じる。 「マコちゃんとはしてないもん。」 「じゃあ、夜にね。私、これからお仕事だから。」 こう言った時のマコちゃんは、自分の部屋に引っ込んでしまうと、しばらく出てこない。 入って来ちゃダメって言われているから、仕事中のマコちゃんの部屋に入った事はない。ドアに聞き耳を立ててみた事ならあるけど、知らない誰かとの話し声と、パソコンの音がずっと続いているだけで、詳しくは聞き取れなかった。
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