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「ぐっ…」
「なかなかしぶといですね…」
俺とゼツは互いに肩で呼吸をする程、体力を消耗している…
「…そろそろくたばりなさい!」
ゼツが鎌を大振りする
「今だ!…でりゃああああ!!」
俺はその隙を逃さず会心の一撃を叩き込む
「ぐああぁ!!」
手応えはあった!ゼツはよろめき、膝を着いた
「これで終わりだ!ゼツ!!」
俺は魔力を集中させる…
「…これほどとは…っ…少々侮っていましたね…けれど、これならどうです?」
「今更何をしたって無駄だ!…ゼツ、討ち取らせてもらう!」
俺が全身全霊の一太刀を振りぬこうとしたその時!
なんとゼツは亜空間から妖夢を引っ張り出し、盾にしたのだ!!
「なっ!!」
「この娘諸共、私を斬れますか?」
俺は刀を止める
「ホッホッホ…やはり甘いですね、レイゼル…あなた方のその甘さ…反吐が出ますが…だからこそ利用しがいがありますよ!」
「くっ!離せ!!」
妖夢が藻掻くが、それを制するように鎌を首に突きつけ、人質とした
「レイゼルさん!」
「妖夢!!」
「…この娘の命が惜しければ、大人しくしていなさい…私を討ち取りたいならこの娘諸共気るがいいですよ…」
「…この外道がァァァ!!」
そして、再びゼツは炎の球体を作り出す
「あの時と同じですねぇ…この娘を庇うばかりに貴方も父と同じ死を遂げる…親子の因果ですね…ホ〜ッホッホ!」
(俺は…また、大事なものを失うのか…妖夢を盾にされ…みすみす殺されてしまうのか…これじゃ…父さんの……皆の…くっそおぉぉぉぉ!!)
「違う!」
っ!?
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