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まさかの再会
高級マンションのシステムキッチンのデザインを2パターンなんとか描きあげて、設計部とのミーティングが行われた。
清花先輩以外のデザイン部のみんなも、
「長谷川課長、おっかねーー、恐ろしすぎる」
と口々に言っていたから、かなりビビりながらミーティング室に向かった。
デザイン部の真田課長も同席するから一緒に向かう中、課長が40代後半なのに若い長谷川課長を恐れ、ため息を連発していた。
ミーティング室に入ると、いつもはわいわいしている設計部の社員達が、静かに席に着いていた。
異様な空気に戸惑う。
システムキッチンの新デザインの発表をするため、パワポの設定をしていたら、長谷川課長がミーティング室に入ってきた。
「望月さん、準備できた?時間だからそろそろお願いしていい?」
鬼だ悪魔だドSだと言われてる長谷川課長が、そう言ってわたしに笑いかけた。
背が高く高級スーツをスマートに着こなし、知的な感じのハンサムな長谷川課長……。
3週間、高級マンションのモデルルームに通ったりインターネットで情報収集をし、わたしなり高級マンションに似合うシステムキッチンをデザインした。
発表が終わると、しーんとしたミーティング室にいるメンバー、一同が長谷川課長に注目する。
「さすがだね。望月さん、完璧だよ。このデザインで行く」
一発合格でわたしは安堵した。でも、色々凝り過ぎたから、設計部のメンバーは顔をしかめてた。
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