金髪男

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金髪男

 俺はツイてる。  金髪男は笑っていた。  電車に乗っている最中、いきなり雨が降ってきた。  その時には最悪だと思った。  それなのに、俺はちゃんと傘を持って電車を降りる事ができた。  これをツイていると言わずして、何といえば良いのだ。  競馬でもやってれば、大儲けできたかもしれない。  あいつも、ひょっとすると大儲けして浮かれていたのかもしれないな。  場外馬券売り場の最寄り駅から乗って来て、傘を忘れて先に降りて行ってくれた男の事を思い出し、金髪男はまた笑った。  せっかくだから、酒でも買って帰ろうか。  金髪男がコンビニの奥に行くと同時に、化粧の濃い女は店を出た。
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