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第2章 新しい日々
昨日、告白してOKをもらった後、向葵と玲央に長谷川くんと付き合うことになったことをメールで報告した。二人ともおめでとうって言ってくれて、まだ複雑な思いはあるけど、頑張ってみようと思った。
教室に入ると、長谷川くんはいつも通り本を読んでいたけど、今日は挨拶だけでもしとこうと思って、おはよう、と声をかけた。
「おはよう、山本さん。」
それだけ言うと、また本の世界に戻っていった。まあいっかと思って、私は他の席の子に話しかけに行った。
急に一緒にいる時間が増えるのもお互い戸惑うよねということで、私はお昼を向葵と食べることにした。たまには、外のベンチで食べようと言われ、私と向葵は外のベンチへ向かった。
「桜空と長谷川くんって、付き合っているんだよね?」
ベンチに座るなり、向葵はそう切り出した。やっぱり、朝から私と長谷川くんの態度が気になっていたらしい。
「うん、そうだよ。」
「でも、今までと全然変わってないよね?」
「そんなに急に変わるわけないよ。のんびり、関係が築いていければ良いじゃん?」
「桜空、いつの間にか大人になったんだねー。私、そんな風に考えられないなー。」
「向葵と玲央は、カップルっていう感じだもんね。」
「えー、そうかな?そう見えるなら、嬉しい。」
その後も恋愛話をしながら、お昼を食べていて、向葵にデートに行ってみたらと提案され、今度誘ってみることにした。少しは、積極性は大事だよね。本当に、長谷川くんと仲良くなっていったら、玲央のこと忘れることが出来るかな?
「長谷川くん、今度どっか一緒に出かけない?それか近場のカフェに寄るだけとかでも良いんだけど…。」
私は帰り道に、長谷川くんをデートに誘っていた。といっても、感覚としては、友達に誘っているような感覚だ。長谷川くんは、少し考え込んだ顔をしていた。
「良いよ。ちょうどこの辺で、昔ある感じの喫茶店があって、そこが気になっていたから、良かったらそこに行かない?」
「うん、良いよ。いつ空いてる?」
そっから、スケジュール調整をして、一週間後の放課後に、二人で喫茶店に行くことになった。実は私も、昔からある感じの喫茶店の方が好きだから、楽しみになってきた。
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