第2章 新しい日々

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それから1ヶ月が経ち、私たちはたまに喫茶店やファミレスに寄って、宿題をしたり、長話をしたりして過ごしていた。どっちかというと、良い友人という感じだけど、私はその日々に満足して過ごしていた。 季節は、夏のようで、もう五月半ば。ゴールデンウィークには、向葵と玲央と会って、皆で長話したり、カラオケに行ったりして、遊んだ。久しぶりに三人で集まったから、結構楽しかった。学校の行事としては、合唱コンクールが無事に終わり、今は中間試験を目前に控えている。中間試験は、一週間後。私も長谷川くんも家に真っ直ぐに帰ることが増え、私は家で真面目に勉強する時間が増えた。流石に、二週間前ぐらいからは勉強しているけど、不安なものは不安。去年だったら、玲央と向葵と勉強会を開いていたけど、今年はやめといた方が良いだろう。そう思い、私は一人でがむしゃらに勉強中だ。数II・Bが特に難しいから、それに少し苦戦はしている。ただ、計算自体は好きだから、方程式の所とかになると、楽しいと思いながら解いてる。ただ、一人で勉強するって、少し寂しいものだなって思った。 翌日学校に行くと、珍しく長谷川の方から声を掛けてきた。 「あのさー、良ければなんだけど、今週の日曜日って空いてる?」 「空いてるけど、どうかしたの?」 「日曜日に、友達と佐藤俊っていう奴なんだけど、そいつと勉強することになって。俊が、山本に会ってみたいっていうから、三人で勉強会をするのは、どう?いきなり知らない奴に会うの、嫌かもしれないけど。」 「全然、良いよ。長谷川の友達なら、悪い人じゃないでしょ。それに、一人で勉強するの、最近退屈だったんだ。どこで勉強するの?」 「それが……、話せてゆっくり出来る場所が良いからって、今のところ僕の家でってことになっているんだ。大丈夫かな?」 「長谷川が良いなら別に……。男子の家なんて、玲央ぐらいしか行ったことないから少し緊張するけど。」 「それなら良かった。じゃあ、家の近くの駅に10時集合でよろしく。あいつにちょっと伝えてくるね。」 そう言って、長谷川は去っていった。嬉しそうだったから、良かった。付き合って割とそんなに経たないうちに、二人っきりではないけど、家に呼ばれるって、流石に少し緊張するよ。長谷川は、全然気にしなかったのかな?意外と抜けているからなー。 そんな風に考えていると、向葵が私の席に近寄ってきた。 「ねえ、桜空。今週の日曜日って空いてる?玲央と勉強することになったんだけど。」 「ごめん。さっきちょうど予定入って、長谷川と長谷川の友達と一緒に勉強することになったんだ。」 「そっかー。長谷川くんとなら、仕方ないね。私も真面目に勉強してくるよ。」 「うん、頑張ろうね。」 私が向葵と玲央と別々に行動する様になるなんて、高一の私は思わなかっただろうな。でも、これで良いんだよ。彼氏、彼女にくっついて行動するなんて、邪魔なだけだし。玲央と会う機会が減ったのは寂しいけど、全然話さないわけでもないし。 日曜日、何着ていこうかな?
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