除霊――伊勢谷――

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「ねぇっ…修也君…っ」 伊勢谷が懇願するような声で言う。 ふるふると首を振る。 「だ…だめ…、それはだめです…」 歩夢が悲しむようなことは…。 こんな風に勃っているだけで、じゅうぶん悲しませる行為なんだろうけど…。 「だって…!ここ、こんなになってるじゃん!」 「ああっ!?そこは、だめぇぇ…!」 本当にさわってはいけない場所に、伊勢谷の手が伸びる。 作業着のズボンの上から、グッと押し込むようにしてくる。 「ほら!こんなになってるじゃないか!」 「あ…っ、あんん…っ!で…でも…、だめっ…!だめなんですぅ…!」 やはり、その手を振り払うことができない。 壁にもたれながら腰をくねらすだけだった。 「じゃあ、なんなんだよ!わざわざ俺に見せて!」 伊勢谷の言い分はもっともすぎた。 自分でも、何してんだ…俺…って感じだ。 「ふーん、そっか。ずるいね、修也君は」 「――?はぁ…はぁ…はぁ…」 細めた目で、伊勢谷のつきだしたあごを見上げる。 足腰に力が入らず、伊勢谷の顔はずいぶん上にあった。 「こんなビンビンにして、そんな誘う目で見上げて!ああ、わかったよ!俺を悪者にして、無理にされたことにしたいんだろ!?」 「えっ?」 バン!と肩を壁に押し付けられる。 「歩夢君への言い訳にさ!」 胸の奥の大事な部分を、スパンッと切り裂かれた気分だった。 怒りなのか恥ずかしさなのか、カーッと体が熱くなる。 「ち、違います!」 そう叫んで、伊勢谷を押しのけようとする。 だが、伊勢谷の大きな体はビクともしない。
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