〈3〉

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あんなに大きく作ったピザだったけど、薄い生地だったから二人でペロリとたいらげられた。 ふと周りを見ると、子供達を先頭にファミリー層がこぞって一定方向へ歩いていく。 「みんなどこ行くんだろうな?」 ハジメさんが不思議そうにそれを眺めた。 私は先ほどの案内板を思い出す。 「あっ。もしかしたら、アスレチックかも。確かそっちの方向ですよ」 「ふぅん?HPで見た感じだと面白そうだったな。腹ごなしに行ってみる?」 「ハイ。ちょっと運動しましょうか」 私達は先に歩く家族の後ろについて歩いた。しばらくしてアスレチックの始点が見えて、他にも何組か家族連れが挑戦していた。 「3.5kmの40箇所だって。けっこうハードそうだな?」 「ですね。ちょっとしたハイキングになりそう。ゆっくり行きましょうね」 ゆっくり、なんて言ったけど、いざ始めると二人ともムキになっちゃって(笑)ワーワー騒ぎながらひとつずつクリアしていく。 しばらくして、私とハジメさんの距離が開き始めて… 「ひぃー、きっついなぁ…ホノちゃーん、待ってー…(泣)」 「ふっ。次のポイントクリアした所で待ってますから、ゆっくり来て下さいね(笑)」 「くそー、余裕だなぁ」 悔しがるハジメさんを置いて先に進む。言う程余裕はない。剣道で鍛えてるけど、私もけっこうハァハァと息が上がってきている。 次のポイントが見えてきた。山の崖を利用した4m程のロッククライミング。 「えぇと…?」 半分登った所で足場を見つけられず、途方に暮れた。キョロキョロしていると、 「あらら、そこじゃないよ。登り始める場所を間違えたら、ずっと上に来れないままだよ」 「エ?」 頭上から声が降ってきた。見上げると、髪の短い小学生の男の子がヒョイと顔を出して、鋭い目を光らせていた。 …
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