〈3〉

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それから私達は、ゴールするまで… 次のポイントに辿り着くまでの歩きの間だけ、どちらからともなく自然に指を絡めた。 無意識に寄り添って、互いの二の腕が触れ合う。 何でだろう、こんな事はハジメさんのお店で何度もあったのに… 場所が外になっただけで、指先を握るが指を絡めるになっただけで… こんなにも私の肌は発熱する。 「ホノちゃん?疲れちゃった?」 急に無口になった私を、ハジメさんが視線を落として心配そうに見る。 「え。あ、だ、大丈夫ですよ?」 「そう?」 首を傾げながら、絡めた指をそのままにまた前を向いて歩き出すハジメさん。 心臓が跳び跳ねてばかりなのは…きっと私だけ。 山の冷えた空気が全部さらっていってくれたらいいのに、と思った。 「わーっ、やーっとゴールだぁー」 「着いたぁー。お疲れ様でしたぁー」 1時間と少しかけて、すべてのポイントをクリアした。 ゴールに着いて改めてお互いを見ると、シャワーを浴びたみたいに汗でビショビショで、どれだけアスレチックに熱中してたんだろうって、後から笑けてきた。 「はは、汗くっさ」 「やだもう、ハジメさん。ログハウスに戻って着替えた方がいいですね」 「そうだなぁ。もういっそ、シャワー浴びるか」 「え」 「ホラあそこ。管理事務所の裏っ側にシャワー室あるから。着替え取ってこよう。 俺らのログハウスにはお風呂付いてないからなぁ」 「あ、あ、そうなんですね」 「ごめん。あちこち行かせて」 「や、そんな、気にしないですよ。さ、行きましょ?」 そんな会話をしながら、私達は一度ログハウスに戻って、シャワー室へ向かった。 入口で別れて、個室に入る。 ポニーテールを下ろし、シャワーの雫を顔面で受けながら… ログハウスにお風呂が無くてよかったと思った。 二人きりの屋根の下、とてもじゃないけど服を脱いだりなんて出来そうにない… ハジメさんはきっと、何とも思っていない。 私だけがバカみたいに意識してる。 はあ、とひとつ息を吐いてから、水栓を捻って水圧を強くした。 シャワーで流れてしまえ、私の動揺。 …
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