〈4〉

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〈4〉

魚の掴み捕りの出来る川辺にやってきた。 人工的に浅く堰止められた区画でマスが放されていて、貸出のサンダルに履き替えた私達は、川の冷たさにたじろぎながら魚影を追いかけた。 「お…っと…難しいなこれ?」 「そ…ですね…ひぁっ!」 「どうした!?」 「い、今脚かすった…うぅ、ヌメッとした… ぎゃっ…また~…」 「ホノちゃんの脚、美味いんかな?(笑) …よしっ。1尾ゲット~」 何故だか私の足元に群がるマス達に狙いを定めて、ハジメさんは素早く掴み捕った。 「ちょっ…もう…私を餌代わりにしないで下さい」 「(笑)。ほら、また寄ってきた。いけそうだぞ?」 「あ…ほんと…えいっ」 ハジメさんに言われるまま掴みにかかると、簡単に捕れた。 が、ニュルニュルしてるから手からこぼれそう。ハジメさんが一緒に掴んでくれて、バケツに放り込んだ。 捕まっちゃうって分かったのか、マスは私達のそばに来なくなったけど、その後また1尾ハジメさんが捕って合計3尾。これで終わりにする事にした。 「ちょっと待ってな。調理器具をいくつか借りてくる」 「ハイ。じゃあ先に行って待ってます」 そう言ってハジメさんは道を反れていったので、私はそのまま流し場とコンロのある東屋に向かった。 掴み捕りだけでなく釣り堀もあったみたい、結構な数の人がいて、少し混雑していた。 とりあえず流し場で空いている所を見つけて、マスの入ったバケツを置いてハジメさんの帰りを待つ。 すると、 キィンッ 金属音が耳をつんざいた。 「?」 音のした方向を見ると、ホワイトゴールドの太めの指輪がこっちに転がるところだった。 …
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