〈6〉

3/7
81人が本棚に入れています
本棚に追加
/56ページ
その言葉の本当の意味を…徐々に知っていく事になる… ほのかなランタンの灯りに照らされた空間を、私とハジメさんの呼吸が、震えながらさまよう。 タガが外れたとハジメさんが言うのなら私も…タガが外れた。 ーーーハジメさんと、もっと近づきたい。 そう念じたのが通じたのか、ハジメさんは私の首筋に顔をうずめてギュウッと抱きすくめた。 いつも、どこか隙間があった私達。 スルリと抜け出す余裕を、ハジメさんは常に私にくれていたんじゃないか。 でも今は…すっかり閉じ込められて…ハジメさんの熱をまともに受けている。 「…ホノちゃん。 …ホノちゃん。 …ホノちゃん…」 ハジメさんが連呼する。 連呼しながら、私の両手を頭の上に上げさせて、耳たぶを甘噛みする。 「ャ…ア…」 ハジメさんの吐息がこもって聞こえて、ゾクゾクと胸の内側が込み上げた。 手で抑えたい、でもハジメさんの手が重く押さえ付けてそうすることが出来ない。 「ハ…ハジメ、さん…」 掠れて涙声になってしまった。 「…コワクナイ…?」 と声にはしなかったけれど、またそう言っているかのような、ハジメさんの眼差し。 押さえ付けていた片方の手がゆっくり下へ… 頬を…肩を…腕を…腰を… 体のラインをゆっくりなぞる。 この胸の震えは、怖さから? …違う… こんなに近い距離なのに、足りない?もっと、もっとという我儘からの…高揚。 「…ァッ… …やめちゃ…ヤダ…ァ」 声帯が振動しない、私のコトバ。 私のおへその辺りで止まっていたハジメさんの手が、胸の膨らみの間を縫って上ってきた。 そして、パーカーのジッパーの引き手を摘まむと、少し強引に一気に下へ引き裂いた。 下着の上から直にパーカーを着ていたから、オフホワイトのレースのブラがすぐにあらわになって、 「ホノちゃん… …エッチ。カワイイ…」 ハジメさんは上気したような顔でそう言って、両手を体の横に置いた。 それから肩を撫でるように、ブラのストラップも一緒に引っ掛けて、スル…とパーカーの肩の部分を少しだけ下ろした。 …
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!