〈6〉

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知らないよ。 ハジメさんのなのかも、私のなのかも。 ドックン、ドックン、ドックン、とにかく二つの心臓が主張するように、私に響きを与えている。 ふと、形勢が逆転して私がハジメさんの上に覆い被さる。 ハジメさんが鼻を私の髪に寄せて、 「いい匂いする…」 溜め息混じりに言った。 「そんな事な…ァ 」 耳の後ろから髪を片方の肩へ流されて、その際にハジメさんの指が私のうなじに触れて、くすぐったくて身をよじった。 髪を梳いたその手が、また私の体をなめらかに滑って、今度は肩から背中側へラインをなぞって、下へ、下へ… 私の太ももやおしりを撫で回した後、腰の辺りを掴んで、くるっと半回転させた。 ハジメさんに背中を預けて…ハジメさんの片方の太ももに股がっている状態… 剥き出しになっている肩に顎を乗せて、おへその下辺りで私の両手を包みながら、ギュウッと後ろから抱きしめた。 ブラのカップから出されたままの胸、ジッパーを下ろされて丸見えのおへそ、私、今もしかして、とんでもないカッコウなんじゃ…と思い始めた。 しばらくそのままの体勢でいて、恥ずかしい気持ちでいっぱいになった頃に、 「…ねぇ…」 とハジメさんが言ったので、ハジメさんの方に顔だけ向けると、短いキスを何回もされた。 「ンッ…ン…ン」 息をつかせない、それにハジメさんの唇が柔らかい、私の頭をボーッとさせるには十分過ぎる材料だった。 「…ねぇ…」 ハジメさんがまた問いかける。唇を離さないまま、静かにリップ音を立てながら、私の返事を待たずに続けた。 「ホノちゃんは… …どうして俺…?」 エ?と言いたかったけれど、ハジメさんに塞がれる。 「付き合ってって言った時に…【どうして私?】って聞いたの、覚えてる…? 俺も聞きたい… どうして…俺? 5コも離れてる俺なんかで…いいの…?」 どうしてこんな子供みたいな私を好きになってくれたのかな、と思っていた私と重なる。 「ハジメさんだって…どうして…? どうして…私…? ちゃんと…聞いたこと…ないですよ…」 私のこの言葉を聞いて、ハジメさんのキスが止んだ。 …
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