〈6〉

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「ンー… …どこから…話そうか…」 言いながらハジメさんが片手で胸の尖端を弄り始めた。 「ャ…ッ、ちょっ…」 今から大事な事を話してくれるはずが、どうしてこんな事に。 ハジメさんの手を剥がしにかかるけれど、びくともしない。 「ハジメさ…んっ、真面目に話して…っ」 「ふっ…ゴメン…でも、このままで聞いてて…」 そんなのムリ。でもしっかり閉じ込められて逃げ出せそうにない。ハジメさんにされるがままになるしかなかった。 「キタガワが…女の子を店に連れてきたいって言った時に…どんな子が来るんだろうなぁって…思って… アイツの友達だろ?なんとなーく想像して… 実際来てみたら、あれ、こんな感じの友達もいるんだってビックリした。 それがホノちゃん(笑)」 「う…ん…」 「ホノちゃんとキタガワ見てて…あぁいいコンビじゃんって思ってたの。 それだけで…終わるはずが… …そう…キミがあんまり…美味そうに俺のラーメン食べるから…気になってきて…」 「ンッ…ハァ…ッ」 「はじめ、俺に対して壁を作ってたでしょ…(笑) それが…段々無くなるのを感じて… 俺といるの、楽しいのかなって…自惚か?」 首を横に振る。胸への刺激に堪えられない意味も込めて。 「ふ…よかった… そう思った辺りから…キミのやる事なす事がいちいち輝いて見えて… 花火ではぐれた時は…もう好きだったんだ。 離したくねぇ…って思った… 手を繋いだのも、おんぶしたのも、全部…好きの気持ちから… …おしまい。 はい、次、ホノちゃんの番(笑)」 そう言って、やっとハジメさんの手の動きが止まった。 話の途中で何度も喘ぎそうになった。必死で声を抑えて、でもハジメさんの話をしっかり聞いた。 次、私の番って言った? 呼吸が乱れて、上手に話せないかもしれない。 私を取り巻く腕を外して貰いたいのに、ハジメさんにその気はないらしい… 「ハ…ハジメさん… も…そのままでいい…ですけど… 手…動かさないで… …話せなくなる…」 涙声で訴えると、ハジメさんは小さく笑って「わかった」と言った。 …
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