〈6〉

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ハジメさんの話を聞きながら、その時の私の気持ちはどうだっただろう、とゆっくりと記憶を辿った。 「あの…ね…」 「…ウン」 「私…は…あの時はまだ…好き…って分かってなかった…ですね」 「…なんだよ~」 拗ねたような声を出して、ハジメさんの手がまた動き出す。 今度は太ももの内側と外側を行ったり来たり。 「わ…っ、ヤメ…約束したのに…」 「(笑)…続けてよ…」 「んっ… でもね…話しやすくて…やさしくて… 一緒にいて…安心するなぁ…って…思って… …壁なんて…んっ…作ってなかったですよ…」 腰の一番細い所をハジメさんの熱い手がさまよう。 「(笑)…ほんとに? …それで…? どの辺で…そういう気持ちになってくれた…?」 「………た時」 「ン…?」 「…お店で、指を握られた時… あ、この人の事好き…って思った… そしたら、好き…って言われて… …舞い上がっちゃった…」 「(笑)…テンパってたなぁ。 それの前の付き合ってには、ここには響かなかった…?」 また、上へ上がってきて、鼓動が波打つ所をトントンと指で叩かれた。 ついでにまた、ゆっくり胸をまさぐられて、尖端を軽く摘ままれる。 「ァ…あの時…は…ビックリし過ぎた…だけ…ァ…」 「ふぅん…そっか(笑)」 「…も…おしまい…だから… ね…ヤメテ…ウソツキ…」 動かさないって言ったのに。めいっぱい恨みを込めて、ハジメさんを睨む。 何の罰ゲーム?心臓がもたない。 「はぁ…」 私の耳の裏でハジメさんが溜め息をついた。 「…どうしたんですか…」 「いや…電気…点かないなぁと思って」 「そう…ですね…ブレーカー上げに行かないとダメじゃないですか…?」 この恥ずかしい状態を抜け出すチャンスと思って、乱れた服を直しながら立ち上がった。 が、手首を掴まれてまた座らされた。 「…まだいいよ…まだ暗いままで、いい…」 ハジメさんの声が背中に伝わって響いた。 私を抱きしめたまま手を伸ばして、ランタンの灯りをフッと消した。 …
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