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救い
そして、地球はヒグラーの企みなど知るよしもなかった。「ふっ、この人類も俺の手によって滅亡さ。俺こそ地球の救いの神だ!俺の手の中で世界が転がっているようなもんさ。ふっ」
ヒグラーは国防省のパーティーションファイヤーウォールで、外部からの進入は不可能であることなど問題ではなかった。問題は勤務している奴らをハックすることにある。一人の勤務の人間がどういう行動をしているか築地調査することから始まった。
そして定まった勤務員の情報はヒグラーの仕組まれた行動すなわちセールス・マンまた、配達員に化け、密かに相手の状況をつかむこと、そして得意とする量子システムにより、無線によるケータイハッキングなど多岐にわたる。
ヒグラーは網膜承認と指紋承認及び、IDをハックすることに成功した。自分の体型に似る一人の勤務員に変装し、みごとに進入する。内部に入ってしまえばヒグラーの思うつぼ。カメラシテムにハックし、その記録を誤魔化し、パスワードも突破。
そしてある日、核のスイッチ場所とその構造を掴んだ。また、それを自らが、作動可能な構造を網羅した。そしてその仕組みからスイッチを間接的に押す方法が開発され、外部に持ち出されたスイッチや内部にある核スイッチを共鳴する電磁波を作り出した。ヒグラーは自慢げに「あとは、このスイッチを押すだけさハハハ…」
そしてサージは乗り組み員と出発の段階に入った。ケン「サージ本当に出かけるんだな。本当に…」サージ「ケンちゃん大丈夫よ!心配いらないから!」笑顔で交わす。
館内にて「全員準備に付け」スピーカーから流れた。ザンガ船長「よし!全員カプセルに入室するんだ」乗組員「はい!」そしてシステムが起動された。そしてサージは「ターツ星のみなさん、ケンちゃん、きっと無事に帰るわ!大丈夫」そう心でつぶやいた。
「始動!」 ザンガ船長は合図を言う。そしてサージ達、乗組員は眠りについた。もうここにみんなの意識はなく、抜け殻だけが残る。ケンは祈った「サージ必ず無事に帰るんだよ!信じてるからな」そしてサージ達乗り組み員は地球に到着した。
もちろん姿はなく、地球の誰もが目で確認することはできない。
ただ、ターツ人の彼らだけは意識が脳波動力と連動し、物を動かす力と仲間を脳波動力で姿、声を知ることができる。それは意識認証が脳波動力を察知しそれぞれの人間にその周波数となり意識に練達するためなのだ。
ロモンエンジニア「船長、素場らしい景色ですよ。こんな綺麗な星があったなんて思いもよらなかった」ザンガ「そうだな、だがまだ油断はできない。さっそくこの星の情報を調査する必要がある」
乗組員も全員がその景観に驚嘆した。 タリ研究員「こんな世界があったなんて夢を見てるようだ」グロ副船長「タリ。ハハハこれは現実だよしっかり仕事してくれよ!」そしてみんなが笑いに包まれた。
そしてサージはターツ星にいたときから気がかりだった体調の異変は、この地球にあるのではと念波を突き止める事にした。するとある男が目の前にいた。それはサージ自身がワープしていたのだった。 乗組員達からサージの姿が突然消えたため、騒ぎ出した。
ロモン「ザンガ船長、サージが居ません。突然脳波からも消えたんです!」「なんだと!?みんなにも確認できないのか!」乗組員皆が同じく答えた「はい、見えません」 「今はなすすべがない。きっとサージはワープしたに違いない。様子を見ることにしよう。なに何か目的があったんだろうきっと……。」
一方サージはその男を追跡することとした。「あっなんなの?この人システムクラックしてる…!?この人はいったい…?」
ヒグラー「ふっ、誰も俺のことなど知るよしもないかヘヘ今に見ていろ!俺がこの地球を守ってやるさ。天使いや俺こそ神なんだ…ハハハ」
「この人なんだわ!この人、地球を破壊しようとしてる!でも私には何ができるの?」サージには地球のコンピューターに何ができるかは自信がなかった。しかし、ロモンエンジニアがいる事を思いだしたのだ。「そうよ、ロモンさんがいる、あの人なら地球のコンピューターも理解可能かもしれない」そう思ったサージは、ターツ乗り組員の元に戻った。
グロ「おい!サージ!どこに行ってたんだ!みんなが心配してたんだ!船長!サージが帰りました!」「そうか、帰ったんだな」
皆もサージが帰ったことは伝わり安心した。
サージが問うた「ロモンさん」「なんだねサージ?」「実は、あるクラッカーらしき男に出くわしたの。」「なに?クラッカー!?」「うんそうなの。その男、変なつぶやきを発しているの聞いたの。」「それはいったい、どういうことだ?」
サージは成り行きをロモンに話した。するとロモンは「地球のコンピューターだろうがどこのコンピューターだろうと、この宇宙原理の法則には逆らえないさ。きっとその男のたくらみは暴いてやる」そうロモンは確信を持つ。
さっそくロモンはそのクラッカーであるヒグラーの元にワープした。
「いったいこいつは何を企んでいるんだ…」ロモンは必死でプログラム解析を試みた。しかしロモンはシステム進入へのパスワードがわからない。「こいつのパスはなんなんだ…いや、落ち着いて考えるんだ…」そしてロモンは解析を続ける。
ヒグラーは実行に踏み切ろうとした。果たして間に合うのか……。
「いったいこいつのパスは何だ、どこから手を付けたらいい。だがきっと見つかるはずだ、諦めてたまるか!」そしてロモンはあるキーワードにたどり着く。「そうか、量子モジュールをこいつのシステムに感染させてやればいいんだ!」これはこの地球の文明よりも優れたシステムで、スパイウエアといってもいいだろう。だが1から作成しないといけなかった。エンジニアである腕が試される。だがロモンは気がつく、あるターツ星の量子プログラムのバックアップがあることを思いついた。「そうかこのシステムを改良利用し直せばきっと近道になる。そして何時間が起ったことだろう、ロモンは完成させた。
「ようし、こいつのシステムに送り込んだぞ」ロモンが自信を持って実行した。
一方ヒグラーはシステムを起動させた。「これですべては完了したハハハ」ヒグラーがつぶやいた。
ロモン「見えた!見えたぞこいつかなりの凄腕だな。悪にしておくにはもったいない。いったい…何を企む」ロモン「うっ、こ…これはそうか、こいつ核エネルギー爆破を引き起こすプログラムシステムを完成させている!!まちがいない。 これはいけない。どうしても止めさせないと大変なことに……。しかもなに、3つへ分岐プログラムされている。すると核ボタンは3つへとつながる訳か……。」
ヒグラーのプログラムはついに軍事内の核スイッチを押した。それは第一のボタンだった。続いて第二ボタン。ロモンは分岐のプログラムを終了するコードを潜り込ませた。だが既にヒグラーのシステムは第一、第二までスイッチを押している。間に合うのか。ロモンは焦っていた。「そして第二をプログラム解除、そして第三。第三も解除!待てよ、おかしい反応がない!」
既に間に合わなかった。核ミサイルは発射された。それはヒグラーがバックアッププログラムを用意していたためだった。万が一、他者から物理的邪魔が入った場合に、その信号をとらえるシステムで、第二のシステム起動に切り替えたためだ。ロモンは物理的に邪魔したことに過ぎなかった。「なんなんだ!解除に成功したはずだどうしてだ!」
ロモンは焦る。するとサージはそのことには前から感づいていた。いざというときのために、ミサイル発射消滅の方法はサージの脳にある波動力を最大限に送り込めばその力は増大する。その力で、核の起動を宇宙空間へと放り出すのである。だが集中力が一点に絞られることはターツ星に帰る意識を失い、自分を失うかもしれないのだ。宇宙を彷徨うことも意味していた。サージは心の中でつぶやいた。「みなさん、地球の多くの生命のためなのごめんなさい!ケンちゃん…」ケンは胸騒ぎがした。
そしてサージは第三のスイッチを目指して思念を送り続けた。そしてサージは核の軌道をそらし遂に、被害を止めたのだった。
ヒグラーは嘆いた「ど、どういうことなんだ!俺のシステムは完璧のはずだ!ミサイル軌道がどうして宇宙空間に?軍事のほうにシステムエラーがあったってことか?わからない、くそー!?」。ロモンはヒグラーの情報をネットに公表した。その後ヒグラーは警察に捕らえられ重罪が確定された。
だが――
サージの意識は反応が見られなかった。乗り組み員全員がそのことに気がつき始めた。 「サージ…」ザンガ船長にほかの仲間も悲しむ…。「みんな、このことはまだケンには伝えるな」船乗員「はい」ターツ星のケンは胸騒ぎがした。
だが、そのあと夢の中でサージの声がした「ケンちゃん」「サージ…、サージじゃないかどうして此処に君が…」「ケンちゃん、私ちゃんとお仕事達成したのよ!ケンちゃんが応援してくれてたおかげでもあるのありがとうケンちゃん」「サージ、サージ」そしてサージはいなくなった。目が覚め「なんだよ、夢かよ」
それはサージの念波であった。
ケンは夢の出来事に呆れていた。「でも、サージ今何やってんだ心配かけやがって、あいつ……。」そしてケンは学校を飛び出して脳波船研究室に出かけた。そこで知ったのはサージを見失う状態であった。
ケン「みなさん、サージが居ないってどういう事なんですか!」
研究室のみんなは戸惑いながらも、ケンに事実を話した。「えっ、そ、そんなばかな…もう一度しっかり確かめてください!」研究員はその通りにした。
だがサージの姿は検出されなかった。ケンは天を見上げた。「サージ……。」
一方サージは彷徨う自身のただ中で夢を見ていた。「ケンちゃん、あなたどこ?どこなの?」するとサージの目の前にうっすら人影が見えていた。
それはケンであった。「あっ、ケンちゃん、ケンちゃんじゃないの!」サージは意識を取り戻した。そしてサージの目の前には、本当のケンの姿が現れた。ケン「あぁ サージ、サージが戻ったんだ!みんなーサージが戻った!!」研究員達皆は驚嘆した。
まさか、ほんとうだ、サージが戻っているじゃないか!」とみんなは歓喜した。そしてケンとサージは抱擁したのだった。
「愛情という科学や脳波電波ではとうてい計り知れない、それを超越した力が働いていたのかもしれない」とザンガ船長は感じていた。
地球は異星人である一人の少女と、その仲間によって破滅の危機から救われたのだ。地球には平和が戻った。
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