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「キャーーーーーーゴキブリぃぃぃぃ!!」
俺の目先、真上から人間の女性の悲鳴があがった。
しゃかしゃかしゃかしゃかしゃかしゃか・・・
俺は、ただ歩いていただけだ。
台所を横切っただけだ。
なのに、何故あの女性は激しい悲鳴をあげたのか?
「なにっ!!」
バン!バン!バン!バン!バン!バン!
何でこの女性は、俺をスリッパで執拗に叩こうとするんだ?!
俺は何も悪いことしてねぇし!!
バン!バン!バン!バン!バン!バン!
だか俺は何も悪いことしてねぇだろ?!
こんなに過剰にヒステリーを起こしてさあ?!
ホント俺達ゴキブリは、何でこうも嫌われるんだろうな?!
俺だって、生きる権利はあるんだよ!!
そう易々とこの世から消されてたまるもんかっつーんだ!!
しゃかしゃかしゃかしゃかしゃかしゃかしゃか・・・
毎日、毎日この繰り返し。
薄暗いこの家の片隅で、生を受けて以来人間に見つからないようにこそこそと、這いつくばる毎日。
見つかると、この家の住民に丸めた新聞紙で叩かれそうになったり、ゴキブリスプレーとか『飛び道具』で狙い打ちされそうになったりさ。
全く、この俺の何処が気に食わないんだろうな?人間どもは。
俺にとっちゃ、この家自体が『住みか』なんだよ?!
俺も此処で生きさせろ!!っつーんだ!!
しゃかしゃかしゃかしゃかしゃかしゃかしゃかしゃかしゃかしゃか・・・
ぱぁぁぁぁ・・・
ん?
ぱぁぁぁぁ・・・
これは・・・?!
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