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俺は目の前のその窓ガラスが、赤く輝く目映い光がこの部屋を赤々と照らし出されている事に気付いた。
美しい・・・
黄昏時の窓ガラスに映る真っ赤な空。
その真っ赤な空は、激しい光を放って街を真っ赤に染め上げ、更にこの部屋の家具や置物や家電製品までも真っ赤に染め上げ、更に・・・
俺に真っ赤な光が・・・俺の身体へ差し込んできた・・・!!
まるで、この真っ赤な神々しい光が俺が生きている事を祝福してるような・・・
素晴らしい・・・
なんだか、心が洗われていく・・・
やがてこの窓が真っ赤な光から段々夜の戸張に移っていく瞬間まで、俺は目を輝かせて見とれていた。
この世の中の外は、こんなにも美しいんだ・・・
此処に、この家の中が全てだと思ってたのに。家の外にも世界が拡がっているんだ!!
次の日。
しゃかしゃかしゃかしゃかしゃかしゃかしゃかしゃかしゃかしゃか・・・
また、赤い空を見たくなって家具の隙間から這い出た俺はそっと窓を見た。
ざぁーーーー・・・
外は雨。
あの赤い空は窓には映らない。
今日も見たかったのに。
今日もこの神々しい真っ赤な光を浴びたかったのに。
シューーーーーーッ!!
「このゴキブリーーーー!!この野郎!!ジメジメすると出てくるとやっぱり出てきたな!!」
やば!!人間の驚異を忘れてた!!
この真っ赤な光の全てを知るまで、人間に殺られるもんかっつーんだ!!
しゃかしゃかしゃかしゃかしゃかしゃかしゃかしゃか・・・
また、あの赤い空が見たい!!
あの窓の向こうへ行って、あの赤い世界へ飛び込みたい・・・!!
嗚呼、また明日・・・また明日・・・
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