赤いテントと蛇女

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 私はパラソルの下で勧められた丸椅子に座り下を向いておりました。まるで学校で先生に叱られている生徒のように縮こまっていたのでございます。蛇女は私を招き入れると一度引っ込んで冷たいオレンジジュースを片手に戻って来ました。 「どうぞ、お飲みなさいな」それは透き通るような美しい声でした。  ふと蛇女の手元に目が行きました。  見間違いかと思いまして、もう一度見て数えました。あっ指の数でございます。  六本ありました。間違いなく両手とも六本あったのです。  私はどうにか気付かないふりをしようと努めましたのですが、「一本多いでしょう?」と蛇女自ら言うのでございます。    私は仕方なく「うん」と答えました。 「でもね……」と蛇女は美しい声で物語を語るように話し始めました。
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