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「和花(のどか)?」
「…んん…。」
私は、誰かの声で目を覚ます。
「あ!…和花~!」
「…お、母さん…?」
「先生っ!…先生っ!…和花が
意識を!」
「…草野さん、体調は?」
「…平気です。すみません…。」
「草野さん、一ヶ月は入院してもらう
ことに、なりますが…。」
「…はい。大丈夫です…それよりも
あの親子は?」
「…無事ですよ。」
「…あー…よかったー!
ありがとうございます。先生。」
「いえ。」
赤く染まるあの日の景色…
私の目に写る、忘れられない
景色。
でも、私が行かなければ
あの親子は…きっと…
あれから、十数年たった頃
私は、元気に毎日…楽しく
過ごしてるなかで…あの日
出会った男の子と再会した。
「あの…。」
「はい。…」
「草野…和花さんですか?」
「そう…ですけど…」
一人の青年が…私の前に
立ち、真っ直ぐと見つめてきた。
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