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きっと未来は決まってた!赤いルージュのキミに恋する3秒前
携帯がメールを知らせる。
そのたびに胸が高鳴り、メールを読むだけで笑みがこぼれる。
どんなに些細な内容でも嬉しくて、この時間が何よりも楽しい。
好きだった勇者もののゲームも佐伯さんと出会ってから手を付けていない。
通学の度に重かった体や落ち込んだ気持ちは消えてしまったように最近では毎朝が楽しみで仕方がない。
これが恋というものだろうか・・・。
様々な心理テストをし、辞書やパソコンで調べる。
どこでどう調べようと結論は『恋』。
僕の初恋である。
「真咲君って、西條高校の何部なの?」
「部活?僕は帰宅部です・・・」
「そっか!私もね、実は3年間帰宅部だったの」
高校の去年の卒業生らしく僕より1つ年上なことも最近知った。
会うたびに、連絡をするたびに胸がぎゅっとして愛おしいと感じる。
この時間が続けばいいと感じるほど佐伯さんとの時間が僕にとっての幸せだった。
「真咲君、佐伯さんじゃなくて愛菜って呼んで?年も近いしねっ!」
「えーと・・・はい。愛菜・・・さん」
「うんっ!ありがと真咲君!」
この日から下の名前で呼ぶことになった。
少しずつ近づく距離に僕はドキドキが止まらなかった。
今まで恋愛のれの字も無かった僕の未来は、きっとこの日の為だったのだと勝手に解釈してしまうほど僕は舞い上がっていた。
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