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恋愛の極意!こ・・・告白します!2秒前
あれから数か月。
愛菜さんとの幸せな日々が続いた。
そんな時、
「真咲、赤いルージュの彼女とどうなったんだよ?もう付き合ったのか?」
笑いながら翔は真咲の部屋に勝手に上がり、僕が自分のために準備していたジュースを開け飲み干した。
「僕のジュース・・・」
あぁっと思った頃にはもう遅い空のペットボトルが床に転がった。
「ジュースくらいでしょげんなよ!恋愛のプロが相談を聞いてやるんだからよ」っと機嫌よく真咲に近づく翔。
「ちょっとなに・・・?」
翔は真咲に近づくと携帯を奪い、フォルダを確認する。
「・・・あれ?彼女の写真ねーじゃん・・・」
愛菜さんの容姿が気になっていたらしく落ち込む翔。
「まだ付き合ってねーの?っか、写真とかとらねぇーの?」
「・・・なんで写真?」
「ほら、こんなんとか最高じゃん」
そう言って胸の谷間を寄せ潤んだ瞳の彼女の写真を見せる翔。
「な・・・な・・・なん・・・それ・・・」
あんな破廉恥極まりない写真を見ることが初めてな真咲の顔が真っ赤に染まる。
「まじか?こんなんで赤くなるとか、マジで付き合うどころか告白なんか無理じゃん」とお腹を抱えて笑う翔を軽く足蹴りし、
「それを教えてくれるんでしょ?恋愛の極意とやらを・・・」
アニメの決め台詞のように吐き捨て真咲は一晩かけて翔から告白のレッスンを受けたのだった。
翌日、彼女はいつもよりも遅い時間にやってきて小さな声で「お待たせ」と口にした。
昨日の夜に、
『明日、会いたいです。話したいことがあります。いつものベンチで待ってます』と連絡していたのだ。
愛菜さんが来てくれたということは脈ありかな・・・。
翔が連絡して翌日来てくれたら脈あり、必ず成功すると言っていた。
僕は覚悟を決め、愛菜さんにカフェでお茶でもしながらと促し近くのバーガーショップでオレンジジュースと紅茶を注文した。
「昨日、なにかあったんですか?連絡こなかったから心配で・・・」
告白のことで頭がいっぱいで彼女の顔が見れず下を向きながら話す真咲。
「忙しくて・・・それよりも、話って・・・?」
心の準備も出来ていないままその話題に触れられ焦る真咲。
そこへタイミング良く店員が注文した商品を運びテーブルに置く。
僕はドキドキと高鳴る気持ちを抑えようとオレンジジュースを一口飲み深呼吸をする。
そして彼女の顔をじっと見つめると、
「・・・す・・・す・・・す・・・すきれふっ・・・」
勢いのまま言葉を口にした。
舌を噛んでしまったが告白できた。
返事は・・・と思い愛菜さんを見つめる。
しかし今日の彼女は僕が目を合わせようとするとさっと下を向く。
そして小さな声で、 「真咲君、ごめんなさい」と一言口にし、
「騙すつもりはなかったのだけれど私、実は男なの」といい僕の手を掴むと服の上から自身の胸に触れさせた。
ぱっと手を引く僕に、
「ごめんなさい」と口にし帰っていく愛菜さん。
僕は呆然と空席となったその席を見つめていた。
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