ラストステージ
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歌い初めは切なげだった声は、次第に熱を帯びていく。 最後には吼えるように想いを乗せ、講堂は智の迫力に包まれていた。 莉子の奏でるベースの音が空気に溶け、顔を上げると、聴衆のうち大勢が泣いていた。 まだ、言うべきことを伝えていない人。 伝えたものの、届かなかった人。 伝えなければいけないことに気づいた人。 ありがとう サヨナラ 愛してる 高校の三年間が、間もなく終わっていく。
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