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奇怪な出会い
フンフンフフーン♪
心地の良い朝の日差しと爽やかな風が私の心を和ませる。
白髪に眼鏡をかけて高い鼻に鋭い目を持つ、いかにも学識のある貴族のような顔に扮して鼻歌を歌っているのは名探偵のこの私、盛 阿定である。
私はいつものようにベーカーストリート221Bに住んでいるであろう、ホームズくんに悪質な手紙を書いていた。
「生まれ変わったホームズよ、君はきっとそこに住んでいるのであろう? 私は日本でよろしく君の真似の探偵ごっこをしているところだよ、捕まえることが出来るかな?P.S.この手紙にはアンモニア臭を付けておきました」
この手紙を馴染みの業者に手渡して、これまた悪質な方法で届けてもらうことが私の生きがいなのだ。
書き終えると直ぐに紅茶を入れる。素晴らしい事をした後には素晴らしい紅茶を飲むのが、英国紳士の嗜みである。
そうして優雅に紅茶を飲んでいると、インターホンの鳴る音がする。
ボタンを押し、鉄のように分厚い自動ドアを開き、足を組みながら偉そうに「入りたまえ」と言う。
探偵ってやっぱり最高だなぁ。
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