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子供
子供らしい無邪気さと、明るさ、そして子供らしい、緩やかな優しさのある子だった。
あの子と二人で、未来は約束されているはずだった…。
私は、私のあの子を失ってしまっていることに胸を痛めた。
自分が腐乱し、朽ち果てることの恐怖や悲しみなどより、あの子があの世へ行ってしまうことの悲しみの方が、私には本当は大きかったことに気がついた。
あの子が私に見せた笑顔…
あれこそ、初めて見た天使の笑顔だ…。
屈託なく笑う、あの無邪気な笑顔に、私はどれだけ癒されたことか…。
真っ暗闇の中、急に私の心に、あの子の笑顔が浮かんだ。
私はもう一人、一緒に住む家族が欲しかっただけかもしれない。
一方的に私が話しかけるだけの相手ではなく、一緒に笑い合い、話し合える、愛しい家族が。
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