雫の赤

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軟らかなベッド。 軽い掛け布団。 温かい…………。 誰かがノックをする。 (……出たくない…。もう少しこのまま休みたい……。) 「雫……朝だよ…。」 鍵は、掛けられない。 勝手に入ってくる。 でも……………。 聞き慣れた声。 昔よりも声が低くなった。 男だし、大人になったんだな。 「雫?…まだ眠いの?」 頭まで掛け布団を被っていた私の顔を覗こうと少し掛け布団をめくる。 眩しい………。 目を少し開けて見ると、 「…雫、おはよう…。」 優しい笑みを浮かべてる。 赤めの髪の毛。 大声も上げない。 昔よりも、強くなった………。
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