Rescue3 僕を信じてほしい

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舟はただ首を横に振るだけだった。 この傷ついた家族を救うには、愛を元の明るい愛に戻すまでだ。 舟の裏の顔の容赦ない鋼のナイフは、もう切っ先をターゲットに向けている。 舟は愛の家で昼食を頂き、そして夕方までまったりと時間を過ごした。 「おじさん、おばさん、今日はお世話になりました。 すごく楽しかったです。 今度は祖父母も連れて、ここへ戻ってきますね」 舟は自分でそう言いながら、バカみたいに胸が込み上げる。 …おじさん、おばさん、もう少し辛抱してください。 僕が、必ず、愛ちゃんの笑顔を取り戻しますから。 舟と愛は朝の待ち合わせで使ったカフェで、またコーヒーを飲んでいる。 タロウが舟を迎えに来るのに、少々時間がかかるためだ。 愛は舟に退職願いの件をどう伝えようか、未だに悩んでいる。 そんな愛の気持ちを知ってか知らずか、舟は唐突にその話題をふってきた。 「愛ちゃん、退職願、ちゃんと出せた?」 愛は舟の顔を見ずにコーヒーをテーブルに置き、顔を横に振った。 「昨日は出せなかった… 明日こそ出すつもりでいるけど、中々勇気が出なくて…」 舟は小さくため息をつく。 「明日には絶対に出して… 絶対に出す事、それも午前中の内に。 絶対だよ、愛ちゃん、信じてるから…」
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