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その日、花は少しだけいじけていた。放課後の教室で二人のミサンガを目撃してしまったのである。
「もー!私だけ仲間外れ?ひどーい!」
「ごめん、花の分も作ろうって言ったんだけど、萌奈が・・・。」
「だーめ!これは司と私の記念なの!」
花のほっぺが膨らんでいく。
「ちょっと隣町に買い物行っただけでしょー!」
「楽しかったよ。次は花も行こうね!」
司の言葉で花の機嫌は少しだけ直る。その間も萌奈はデートの思い出に浸っていた。時計を見て司が立ち上がる。
「私、お母さんのお見舞いに行かなきゃ。それじゃあ、また明日ね。」
「またねー!」
「明日も迎えいくねー。」
司の新しい日常が始まっていく。それは、今までよりも少しだけ明るいものになりそうだった。
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