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「で、どこ行くんスか?」
いつもの893御用達のブラックスーツを着こんだ中津川を、迫田はジロジロと眺め回した。
「お前、私服は持ってないのか」
「持ってなくはないんスけど、スウェットかジャージしかねえっつか。これから迫田サンと出かけるってことは、デートッスよね?」
だから、一応ちゃんとした格好のがいいかと思って。
「デート、な。ハルのくせに、ちゃんとわかってるじゃないか」
「だって、俺と迫田サンは恋人ですもんね。へへ、デートとか初めてだから緊張するッス」
中津川は迫田に誉められて嬉しそうに笑う。
そんな中津川の腰をぐいと抱き寄せて、迫田は歩き出した。
「とりあえず、買い物だな…これからはデートもちょくちょくするだろ、出かけられる私服の1つや2つ、用意しとくぞ」
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