246人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
すぅすぅと気持ちよさそうな寝息を立てて、中津川が豪快に大の字になって寝ている。
宣言どおり、もう出ねえっす、と泣いて失神するまで何度も何度もイかされたせいでドロドロのベタベタになった身体は、迫田の手で丁寧に洗われて、備え付けのバスローブを着せられていたのだけれども、そのバスローブは寝相の悪さのせいで完全にはだけて、ほぼパンイチ状態になっていた。
普段はオールバックでガチガチに固めている髪を下ろしていると、少し幼い印象になってどこか可愛らしい。
たとえ、その口許が半開きでヨダレを垂らしていても、だ。
迫田は、その厳つい顔を少し歪めた。
髪をそっと撫でる。
と、むにゃむにゃと半開きの口が動いた。
「さこたさん…焼き鳥、激ウマっス…もう、食えねぇっす…スンマセン…」
何の夢を見ているのか。
迫田の顔が更に歪んだ。
ヨダレを垂らしている口に、そっと人差し指を突っ込んでみる。
チュウっと吸い付いてきた。
…こいつは簡単に釣れすぎて、本当に危なっかしい。
彼の恋人は、性経験がほとんどない割に、かなり感度のいい身体を持っていた。
普段の、ちょっとお馬鹿でセクシャルな部分なんてまるで感じさせない姿と違って、喘がせれば喘がせるほど色気を増すその乱れっぷりに、ついつい性感帯の開発に熱が入り過ぎて、結局お尻のほうは手つかずのままだ。
そっちは、次回、じっくり開発することにしよう、と迫田は心に決めている。
乳首と前だけであれだけイきまくったのだ、後ろを開発したらどうなることか。
口に突っ込んだ指を、ぐるぐると動かしてみる。
逃すまいとしたのか、はむっと甘噛みされた。
「ん……」
鼻からどこか甘い吐息を漏らして、更にはむはむと甘噛みしながら舐めてくる。
さっきの寝言といい、おそらく何か食べてる夢でも見ているのだろうけれど、これは少しヤバい。
迫田は、勢いよく指を引き抜いた。
続きは次のお楽しみ、だ。
中津川の唾液でベトベトになった指をペロリと舐めて、迫田はまた少し顔を歪めたのだった。
fin.
2019.06.13
6/12は恋人の日、なんだそうです。
一日遅れましたが、恋人の日にちなんで…
ひらかわしほ
最初のコメントを投稿しよう!