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20回目の誕生日を迎えた今日も雨だった。気分はこれまでにないほど憂鬱だ。
使えない状態だったとは言っても、少しくらい綺麗にすることはできたと思う。なんの相談もなしに勝手に捨ててしまった父を一生恨もう。
そんな決意を胸に秘め、別の傘を持って憂鬱な雨のなか、友だちとの待ち合わせ場所へ急ぐ途中。
「……あれ?あの傘……」
あのお気に入りの傘とよく似た傘が家の近くのゴミ捨て場に捨てられていた。
しかし、私の傘ではないと思う。全体的に黄ばんでいて使える状態ではないところは私のと似ていると思うが。
父が捨てたのは今朝だった。今は昼近くになっているので、まだこんなところにあるはずなんてないのだ。
近づいて確認してみるも、やはり私のではないような気がしたので、気にはなりつつも、友だちが待つ待ち合わせ場所へ急ぐことにした。
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