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「ほら、強い思い入れがあるものって魂が宿るようになるって言うじゃない?その傘もさ、あんたの思い入れが強くなってそのうち意思を持つようになって、それで捨てられたことを恨んでんじゃないの?」
あっけらかんと言い放ち、なにごともなかったかのように食後のデザートを食べ始めた早苗。
なんだか話がオカルトっぽくなっているけど。
……でも、もっと普段からきちんと手入れしておけば。もっと大切にしておけば。
私のあの傘への愛着が足りなかったから、恨んでいるんだろうか。
「……あとは、傘に未練があるとかね」
「え?」
落ち込んでいる私の頭の上から早苗がつぶやいた。
「どうしてもあんたに未練があって戻ってきたんじゃないの?」
「私に……?」
「あんたの周りをうろつくように現れるってことは、そういうことでしょ。それがなんなのか考えてみたら?」
「……」
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