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「ばっかっ!おまえさっ、人の話し聞いてんのか!」
「聞いてますよ。先生が珍しく素直だから可愛くってつい。」
「はぁ?!なに意味不明なこと言ってんだよ?!俺は別にいつも通りだし、可愛くもねーよ!」
「顔真っ赤にして弁解されても説得力ないですよ?」
「う、うるせーっ!」
降りしきる雨の中、一つの傘が俺たちの空間を切り取るかのように全てを遮断していく。
これじゃ、完全に“二人の世界”てやつだ。
だが、そんな甘い空気が一瞬で消し去る声が雨の中響いてきた。
「小太郎っ……!」
校門で傘もささずにずぶ濡れで俺を呼ぶ男………
……………洵也
心臓がドクンと波打つように跳ね、一気に頭の中は真っ白になっていく。
なんで待ち伏せなんて……俺に何の用があるっていうんだ。
乱れる心臓の音を落ち着かせるよう、出来るだけ冷静に言葉を発した。
「なに…やってんだよ……」
「どうしても、言いたいことがあって……だから、待って……ました。」
そう雨の中、聞こえてきた洵也の声は…少し震えているかのようだった……
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