Lesson Ⅴ 淡いキス

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だけど、俺には何かを言う資格はない。 教師として、一人の一社会人として、この関係は許されないこと。 だから、星川が諦めてくれれば俺には好都合…… 「……て、俺は……」 まったく。 汚ない大人になったもんだな…… 「……そこでいいです。止まってください。」 思考が分散してるとこに聞こえてきた星川の声で我に返る。 そして、また、 好都合だと車を停める。 「本当に、駅でいいのか?別に家まで送ってやるのに。」 「いいです。ちょっと寄るとこあるし……駅で大丈夫です。」 「そうか……じゃあ、気を付けてな。雨、強くなってきたし」 昨日の朝、星川と待ち合わせした場所と同じ所に車を停め、エンジンを止める。 そして、無音になった車内。 フロントガラスに叩きつける雨音が一層強さを増し、無意識に外へと視線を向けた。 「先生?」 そのまま、ぼんやりと流れ落ちる雨粒を眺めていたら不意に呼ばれ、 「ん?」 そのままいつも通りに返事を返したと同時に視界が一瞬で真っ暗になった。
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