京男との甘い情事

初めての日

それはきっと、秋芳さんが、私にキスしかしてくれないから。

それも、まるで子供にするような優しいの。

もう、付き合い始めて半年以上にもなるのに、秋芳さんは、優しく抱き締めてキスする以上のことはしてくれない。

友だちに相談したら、「大事にしてくれてるやん」とか、「アンタがお子ちゃまで手が出されへんのんちゃう？」とか、色々言われて、どっちの意見にも頷けるから、やっぱり私なんか秋芳さんには、不釣り合いなんじゃないかって不安になる。

確かに誰が見ても私と秋芳さんは、親子は流石に無いけど兄と妹としか見られない。

秋芳さんと、釣り合うほどの大人な女性ですらない自分が嫌いだ。

それでも秋芳さんが大好きで、秋芳さんに会ってあの瞳で見つめられると安心出来るから会いたくて。

お店に行けば会えるけど、他の女のお客さんに笑顔で話してるのを見るだけでヤキモチを妬いてしまう子供っぽい自分を知られたくなくて、お店にも行かなくなった。

でも、会いたくて会いたくて仕方が無くて。

私は、初めての恋をしてその人を恋人に出来たから、きっと変になっちゃったんだ。

こんないつもの自分らしく無い自分が嫌で、でも秋芳さんには嫌われたくはない。

そんな私の心の中なんて、秋芳さんには全部見抜かれていたなんて、全然知らなかった。