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それはとても黒かった
ジャリジャリジャリ
繊維をすり潰す音が聞こえる
開かれた空洞は赤白く
白い管が通っていた
これを赤と呼ぶのだろう
にじむ液体
すする音
管をちぎる音がした
音もなく吹き出す赤色
それはとても澄んでいるように見えた
勢いよく数メートルは吹き出すそれは
生きている証のようであり
その命の水は溜まっていく
赤い赤いその水は
きっと澄んでいるのだろう
赤く紅く色づいているのだろう
顔を向けてみると
そこにはどす黒い水が溜まっていた
途端に正気に戻る
何を
何をしていたのだろう
流れ出す血液
傷ついた腕
痛む身体
軋む心
ああ
なぜ赤いなどと形容するのだろうか
それはとても
とても赤とは呼べない
黒い暗い色をしていた
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