24人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
この世界に私は見捨てられた
この世界は、私にとって生きにくい。
筋違いの事にも関わらず、一方的に批判され、私に対して罵詈雑言を投げ掛ける年配者。
我関せずとある物事に関して気付いているにも関わらず、見て見ぬ振りをする中年達。
面倒くさいと惰眠を貪り、今が良ければそれで良いと将来を達観する若者達。
私の周りには、そんな人間が多すぎる。
そう、この世界には希望がない。
特段何かを変えようなど大口を叩くような事は毛頭ない。自分にはそんな力も根気も、ましてや何かを変えたい等の目標や憧れを持ち合わせていない。
ただ、一言。
『ありがとう』や『ごめんなさい』等の感謝の気持ちや謝罪の意を互いに伝え合うだけで、どれだけ生きやすい世界になるだろうか。
この世界では、そんな些細な事もいけないの?
互いに敬意を表し、愛に溢れる社会を望んではいけないの?
遡れば、父は私に強く生きろと言い、母は私に優しい人になりなさいと言った。
大好きな両親が生きるこの世界で生きていく事がどれほど楽しみで、どれほど大事に日々を過ごしたか。
両親から注がれた愛情を生まれた息子にも注いできたつもりだった。だが、息子は私の愛情を正面から受け止めてくれなかった。
私の注ぎ方がいけなかったのか、主人から幼少の息子と会う事を止められてしまった。
やがて私と主人は法的には離婚をする事になり、息子の親権は主人が持つようになった。
住む処がなくなり、実家に帰省する話が父親からあったが、息子が私にとっては一番の宝物だった。その為、地方にある実家に帰省する事は考えられなかった。
最初のコメントを投稿しよう!