色彩わるつ。

第四章 『そういうところ、可愛いね』

～飯島優里亜～

　一応、毎日連絡は来てて、返してる。

　誰ってあいつしかいない、桜介だ。

　スマホの画面越しだと、あの自信ありげな表情を見なくて済み、あたしはイライラすることなく返事を打っていた。

　桜介のことが心底嫌いなわけじゃなくて、あたしが一方的に毛嫌いしているのは認める。

　桜介はいつ見ても愛想良いし、ずっと女子と関わっているはずなのに、大きな悪い噂も聞かない。

　思っているより嫌な人じゃないのかも？　って思う時はあるけど、やっぱり実際会うと拒否してしまう。