1.

4/13
前へ
/13ページ
次へ
「それは…」 男のハッキリしない態度に女は苛立つ。 「どうでもいいわっ!何でもいいっ!早く私を消しなさい」 「お前は何でそんなに死にたがるんだ」 命令口調だが、必死の訴えに聞こえる、女の叫びに、今度は男が問いかけた。 「あなた、死神と呼ばれてる男よね」 真っ直ぐに男を見る女の眼。 俺を死神と知っていて消せと言ってるのか… 「ああ、確かに…死神と呼ばれているらしいな」 「あなたが(せい)なるものに触れると死が訪れる。闇の世界に密やかに語られる噂の男」
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加