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目に入って来たのは、まだ幼さが残る女。男の方に猛スピードで迫って来る。 でも、男は違和感を覚えた。 何故、武器を持っていない…あまりに無防備な… 一瞬戸惑った様子の男に女は両手を広げて、スピードを落とさず抱きついた。 その体を男は咄嗟に受け止めてしまった。 腕の中の体はゆっくりと崩れて行く。 しかし、男は驚いている。 まだ、腕の中に確かに感じられる質感。抱きしめることのできる、(せい)ある体。 能力の発動から失い、焦がれていたものが、腕の中にあった。
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