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「何故死にたがる」 手を見つめ、先ほどのことを思い出していた男は我に返って、もう一度問うた。 「私の体は不死身。どれだけ体を切り刻まれても、跡形もないほど潰され、燃やされても再生される」 「不死身…」 「そう、そして私はあなたを殺せと言った組織に囚われてる。もう何十年と従わされて…もうウンザリなのよっ!こんな世界っ!」 女の肩が震えている。 泣いているのか… 男はそんな女を身動ぎもせず見つめていた。 だが、女の眼には涙は出ておらず、その代わりに確固たる意志が宿っていた。 男を眼を睨みつけるように見て
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