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お兄ちゃん面倒臭い
群がる妖魅の特徴を端的に表現すると、褌、マッチョ、以上だった。
妖魅達は団結をもって、果敢に氷に立ち向かっていった。
敵が綺麗な白いメスだったので余計盛り上がっていた。激しい敵愾心が荒れ狂っていた
涼白さんの胸中には、強い戦意と庇護欲と、壮絶な男性性に対する恐怖があった。
ミザールの思念波が飛び込んできた。
涼白!アリオト!大丈夫か?!お兄ちゃんが守ってやる!特に風間は許さん!アリオトのメスの匂いに欲情するなど許せるものか!アリオトのパンティーは俺が守る!そうだろうアリオト!
やっぱり迷走する兄に、涼白さんは言った。
違うの!ミザール!静也君は!
何が違うというんだ?!さっき電話で確認した!フォックスグランドホテルを予約したそうだな?!お兄ちゃんは許さんぞ!お前にはまだ早い!アリオトが妊娠など!奴は、風間は真面目そうに見えて裏はそればかりだ!
ひ!ひぎゃああああああああああ!お兄ちゃんのエッチ!スケベ!静也君はそんなんじゃないんだから!私に親切にしてくれた。私を思ってくれた。でもそれは同じだからよ。静也君も親に辛く当たられた。静也君は、子供に幸せになってもらいたいだけよ。母親のおっぱいを飲んで育ちたかったのよ。
アリオトのバストに執心か風間あああああああああ!!お前はあああああああああ!!!
巨神像は周囲を破壊した。
だから違うんだって!私解ったのよ!静也君は、やっぱり紀子ちゃんがーー。
気がつけば、氷の結界の前に立ちはだかったのは、今までよりもさらに大きな褌マッチョだった。太い腕は涼白さんのウエストよりも太い。首をコキコキと鳴らし、腕を振りかぶり、厚い氷を粉々に粉砕した。
「ひ?!」
涼白さんは氷の刃を振るった。突き出された刃は、妖魅の厚い胸板で止まった。
妖魅は首を振った。相手に言葉があればこう言っていただろう。
無駄だよ。お嬢ちゃん。おいちゃんとこおいで。
痛いのは最初だけだって。おいちゃんの腕がお嬢ちゃんを。うん。すぐ良くなるからね?
嫌あああああああああああああ!!!
実際ガチホモ妖魅が女にそんなこと言う訳がない。ないのだが、涼白さんもモード的にはそっちの方に傾いていて、相手のセクシャルな雰囲気は、確かに涼白さんをいやらしく包み込んでいた。
お兄ちゃああああああああああん!おじちゃん怖ああああああああああああああああい!!
涼白さんの男への恐怖が頂点を迎えた時、シスコン兄貴の妹愛も頂点を軽く超えていた。
ハードゲイ妖魅は、アルコルで叩き潰された。
涼白さんは見た。執事服を着た黒ヤモリが、周囲の妖魅を次々と殴り飛ばしていった。
「アリオト!お兄ちゃんが助けに来たぞ!アリオトの貞操はお兄ちゃんが何があっての守ってやるのだあああああああああああああ!!」
ああ。涼白さんは天を仰いだ。
お兄ちゃん面倒臭い。
ところで、リンクする相手を失った悲しい童貞の守り神は、ならばこうしてやると陸に上がっってゲイの群れを無差別に踏みにじっていった。
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